親向けプラグラム

「親」になるために ~コモンセンスペアレンティング~ ②大人が練習するプログラム(CSP)

2014.07.30

※紀伊民報「ママパパひろば」7月24日(金)掲載内容を、
「そらまめちゃん」トピックでお知らせします。

「親」になるために ~コモンセンスペアレンティング~
②大人が練習するプログラム

 今回から「ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング幼児編」を紹介します。このプログラムはアメリカの里親家庭、フラナガンボーイズ・ホームで使われた養育プログラムを受け継いだものです。
 フラナガンボーイズ・ホームは、およそ百年前の1917年にフラナガン神父によってネブラスカ州オマハに設立され、多くの孤児や虐待児童、問題を抱える子どもたちを受け入れてきました。現在では「ボーイズタウン」と呼ばれ、アメリカ最大の児童福祉施設となっています。
 フラナガンボーイズ・ホームから受け継がれてきた、子どもと良い関係を築く関わり、適切なトレーニング(しつけ)の技術と方法は、1970年代後半にカンザス大学との連携で、より多くの家庭で機能するモデルに発展しました。以来、時代や社会背景に対応しながら、より使いやすく効果があるものとして研さん・進化を続けています。それがこのプログラムです。
 「悪い子どもはいない。あるのは悪い行いだけ。悪い環境と悪い学びがあったから」というフラナガン神父の言葉が、ボーイズタウンの哲学でもあります。

 では、プログラムの概要を説明します。プログラムは六つのセッションで構成され、1から順に基本的スキルを積み上げるスタイルになっています。
 セッション①発達・期待値・育み②見せて話す・結果③効果的なほめ方④予防的教育法⑤問題行動を正す教育法⑥自分をコントロールする教育法です。

 私がこのプログラムで最初に驚いたのは、「大人が練習するの?」ということでした。基本の講座はセッションごとに2時間行い、1時間は説明、1時間は練習です。練習はスキル練習と呼ばれ、大人役と子ども役のペアで何度も繰り返します。子どもと実践するために、まず大人が練習して身に付ける、それがこのプログラムの大きな特徴です。
 最初は驚きましたが、実際にやっているうちに練習の効果と意味づけがよく分かるようになりました。とても実効性の高いプログラムなのです。次回からセッションごとの内容を紹介します。