お知らせ

里親支援の話をきいて

2013.02.22

2月20日(水)いわで・きのかわファミリーサポートセンター主催のスタッフフォローアップ研修に参加してきました。

今回は里親支援センターなでしこさんより、中村さんに来ていただき里親支援について教えていただきました。
非常に興味深く、考えさせられる内容でした。

里親と聞くと、親のない子ども、または親が育てられない子どもを代わりに育てる、養子ではないけれどもイメージはそんな感じでした。
けれど、里親にもいくつか種類があって、引きうける側にとって一番良い方法を選ぶことができるというのがまず驚きました。

・養育里親・・子どもが学校を卒業して就職、自立するまで、または保護者が子どもを引き取れるようになるまでその子どもを家族の一員として育てます。また、保護者が病気などにより一時的に子どもを育てられなくなった時に短期間養育したり、週末などに施設の子どもを預かる、夏休みのホームステイのような形もあるそうです。これは引き受け側が選択することができます。

・専門里親・・虐待を受けて心身に傷を負った子ども、非行等の問題のある子ども、身体障害、知的障害、または精神障害がある子どもに対し、温かい家庭と深い愛情、そして豊かな経験にもとづいてケアを行いながら2年以内の期限付きで養育します。経験値や資格となる基準があります。

・養子縁組によって養親となる

・親族里親・・保護者の死亡、行方不明、長期入院などの理由により、保護が必要となった子どもを三親等内の親族が養育する場合、里親としての要件を満たしていれば(経済的要件は含まれない)、親族里親として認定・委託する制度。

最後のは身近にも一番ありうる状況ですよね。
わざわざこんな制度がなくてもそうゆう家庭はあるよ・・と思われがちですが、里親制度を利用すると、養育費が月に4~5万もらえます。これは上の制度でも同じです。(そのほかにもまだ費用がでます。しかし養子の場合は不適応)。
ですがこの制度を知らないがために苦労されてる方もいるそうです。
阪神大震災、東日本大震災でもこの制度が利用され、震災孤児が親族に引き取られています。

和歌山県は里親制度の浸透が薄く、里親の見つかる子どもは施設にいる子どもの7%。いまも岩出市にある乳児院には数名の子どもたちが待っています。
県によっては30%に達するところもあるそうで、中村さんも目指していきたいとおっしゃっていました。

中村さんのお宅には週末、それもお仕事との調整で可能な時だけ、施設の子ども(小学生)を預かっているそうです。
最初は施設に行っても「来るな」「帰れ」でしたが、ある日「買い物に連れてって欲しい」と言ってきたそうです。乳児のころから施設に入って、一度も親の面会のなかった子なので、自分のために何かを買ってくれる人(職員以外)はいなく、周りの子が面会時に親にもらったものを持っているのをみて、どんなにかさみしい思いをしたことでしょう。
自分もこんなものを持つことができた・・!その思いが自信につながります。
そこからだんだんと慣れてきて(この間にもたくさんのエピソードがありましたが)、いまでは「おれ週末家に帰るんや」とうれしそうに話すそうです。

もちろんここまで来るのに、子どもにも受け入れる側にもたくさんの壁があったとおもいます。
でも、その子はご主人がいつも朝仕事にでるのをみて「おじちゃんはいつも朝からどこにいって、何をしてるの?」というそうです。
普通の子どもは「大人は仕事に行く」と知っています。でも施設にいると職員は出勤してくるので、仕事に行ってお金を稼ぐというこんな当たり前のことも知らない・・というか知れないのです。このような子どもが社会に出て家庭を持つことができるとおもいますか?と中村さんはおっしゃいました。

里親とはなにも子どもを一手に引き受けて自分の子どもとして育てる、ではなく、もっといろんな関わり方があると知れました。
無理をせずともおっしゃっていましたが、できる人ができる支援を子どもたちに届けることです。

まずは「里親」という制度をもっといろんな人に知ってほしいなと思います。